2006年03月09日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.24

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【写真】エマージェンシーランプ作成伝授:マータラYMCAにて
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【写真】ココナッツオイルと芯を入れて非常時に使う
クキさんレポートを再開します。今日、明日の2回に分けてデビヌワラで行った「エマージェンシーランプ工作」の様子を、明後日、明々後日にトッタムナで行った時の様子をお送りします。

(クキさんレポート17)
 第3週目は「エマージェンシーランプ工作」共育がデビヌワラ・シンハサナ村で実施された。準備段階として以前、ヒロ宅で実際にランプ作成を試みた。日本から持参した資料によれば、ランプには「サラダオイル」を利用するとなっているのだが、ここスリランカでは「サラダオイル」よりも「ココナッツオイル」が家庭では使われている。そのため、私たちは「ココナッツオイル」で試してみることにした。結果は「サラダオイル」よりも長時間灯が灯せることが確認できた。また、透明なグラスに子どもたちが好きな絵柄を描くことを思いつき、実際に絵を描いてみると、何とも素敵な「エマージェンシーランプ」を作成することができた。

 そこで、プログラム実施前にマータラYMCAで「エマージェンシーランプ」作成手順を伝授するため、各プロジェクトサイトのボランティアリーダーに集まってもらった。それぞれのリーダーに、災害時には停電になる可能性が高いこと、「エマージェンシーランプ作成」共育は、災害時のみならず、普段の生活にも役に立つことなどを説明した。ここスリランカでは日常茶飯事に停電が起こる。半日以上続く場合も多々あるからだ。ボランティアリーダらも、この簡単に作れる「エマージェンシーランプ」をすぐに習得し、各ボランティアに伝授することになった。

 スリランカ人の名前は、とても長く、私たちにとっても覚えにくいことや、今後の活動においても子どもの情報が必要であるとのことから、IDを作成することにした。そのため、今回のプログラムの初めにID用の子どもの写真を撮ることにした。子どもたちに、両親の名前、誕生日、住所、学校名などを各ボランティアが聞いていく。自分の誕生日を知らない子ども、住所が分からない子どもなどがいたが、子どもたちは自分たちのIDが作れることにとても喜んでくれた。
ヒロがID用に3つの異なった柄のサンプルを作成していた。ドラエモンやポケモンなど、日本のマンガをベースにしたものだ。子どもたちはABCと書かれた各絵柄の中から好きなものを選んでいく。絵柄を見たとたん、子どもたちの表情は驚きと嬉しさで顔がクチャクチャになっていた。


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2006年03月07日

レポートも23号までになったので、ちょっと一休み!!

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【写真】絵葉書ではありません:スリランカ最南端デウランダラ岬
1月21日に濱田久紀さんがスリランカに派遣されて1ヶ月余りになります。CODEがスリランカYMCA、UNVの3者で展開する防災共育プロジェクトを地域に広めるためです。濱田さんは、1昨年TSUNAMIの被害にあったインドネシア、モルディブでも防災共育として防災ソング「おはしも」を広めたり、地域のハザードマップづくりを伝えたりという活動をしてきたのですが、今回のように長く滞在しての活動ははじめてのことです。以前にインド南部で暮らしたことはあるようですが、スリランカは初めてです。

でも元来アジア系というか、水には馴染んでいるようです。インドでの生活時代に少しタミール語を覚えたので親しみはあるようですが、でも今のフィールドは南部のシンハラ語の生活圏です。昨年一緒にスリランカの南部のお寺を見学したときに、見学者に食事が出されたのですが、彼女はスプーンやフォークを使わずに、実に上手く手だけでご飯を食べる姿にはビックリさせられました。おもわず「クキさん!あんなに素直な表情をしている顔を見たのは初めてや」といったら、インドでは独特の、首を横に振りながら「ニコッ」と笑っていました。スリランカレポートはいわゆる濱田さんの「体当たり奮闘記」のようなもので、実は彼女は、場所によっては喜怒哀楽を100%表現される方なので、子どもたちがいるところに子どもが一人加わったというくらいのものです。

手前味噌で恐縮ですが、レポートに「共育」とつけさせて頂いていますように、まさにスリランカのフィールドのみならず関係者の共育の場になっているようです。
「クキさんのレポート」は、着任して1ヶ月余りで23号まで行きましたので、この先どれほど積み重なるか・・・・・。懲りずに楽しみにして下さい。
(事務局長 村井雅清)
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2006年03月03日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.22

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【写真】みんなの笑顔最高!隣の村から村へ、友達の輪が広がる
(クキさんレポート16)
 スリランカに来てからよく思うことであるが、「人に指示する」「アドバイスする」ということが、実は相手の「自分で考える」「自分で考えられる」能力を奪ってしまうのではないかということである。何もアドバイス、指示をしないことにより、彼らは自ら考え、彼らの判断で行動ができる。私たちが、あれこれと指示したり、相手の出来ること(能力)を奪い取るということは、究極には彼らの自由を奪うことにもなり、強いては人間として持つべき権限を奪うことにもなる。

 以前、CODEの方から「エンパワーメントという意味には、権限移譲という意味もある」と聞いたことがある。「エンパワーメントとは何なのか」まだはっきり自分自身の中で理解できていないかもしれない。しかし、スリランカを去る頃には、きっと答えが見つかっているように感じる。なぜなら、今私はボランティアと共に存在しているからである。彼らの中に答えがあると確信している。

 今回の「『お・は・し・も』の歌の伝授共育」は、2つの村のボランティアリーダーによって伝授された。イシャンカからタララ村の子どもたちへ、そしてキラウェラ村のボランティアリーダーへと伝授は続く。3ヶ月後には、多くの伝授者が育つであろう。そして彼らが又次のボランティアリーダーへと受け継いでいく。この連鎖が世界へ広がることを切に願う。

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2006年03月02日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.21

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【写真】手作り黒板で「お・は・し・も」の説明をする
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【写真】イシャンカのオルガンでみんながリズムをつかむ
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【写真】イシャンカの妹も一緒に歌う
タタラ村での「お・は・し・も」伝授の様子の2回目です。

(クキさんレポート15)
 国内UNボランティアにより、「お・は・し・も」の歌の意味や日本語の意味などが説明された。例の手作り黒板が大活躍をしてくれた。「O HA SHI MO」と書かれたその黒板は、今までに何度も使われてきたのであろう。黒板にはうっすらと、前に書かれた文字が残っていた。市販の黒板ならば、きっと完全に消えてしまっていた文字であるが、この文字が「これが本物の黒板だよ」と自己主張していたように思う。

 いよいよ、タララ村のボランティアの出番である。皆が横一列に子どもの前に並ぶ。一斉に「お・は・し・も」の歌を歌いだした。ところが、その歌が??「お・は・し・も」の歌ではあるのだが、どうも音程が違う。つまり、はっきり言えば皆が、音痴なのである。ヒロの顔をチラッと盗み見すると、彼も苦笑いしている。聞いている子どもたちの顔を見ていると、??となっている子どもや、歌詞を目で追っている子どもやよそ見している子どもや、見ているだけで退屈しないのだが、このままで、ちゃんと歌の伝授ができるのだろうかと心配していた。

すると、そこに何と、歌姫イシャンカが登場したのである。今回の歌の伝授には来られないと聞いていたのだが、彼女は直ぐに子どもたちの前にでて、オルガンを弾きだした。タララ村のボランティアらもびっくりしていたが、中にはホットした表情をしているボランティアリーダーもいた。タララ村のボランティアリーダーは、15歳を中心とした子どもたちだけである。感じたままを表現する子どもたちである。初めての経験で緊張したのかもしれないが、一端イシャンカがオルガンを弾きながら「お・は・し・も」の歌を歌いだすと、音痴だろうが何だろうが、大きな声で歌いだした。ジェスチャーも飛びっきり大きく、ジャンプしながら手を挙げているボランティアリーダーの男の子もいた。彼らを見て愛おしい気もちで一杯になった。イシャンカが「ちょっと心配になって来てみたのっ」と、後から私の耳元で囁いた。

 「イシャンカのABCオルガン練習」も同時に伝授された。タララ村のボランティアリーダーの女の子は、イシャンカの側に座り、彼女が押す鍵盤を食い入るように見つめていた。歌が一回一回終わるたびに、ボランティアリーダーはイシャンカに何回も質問をしていた。そのたびにイシャンカも丁寧に教えていた。その姿を、イシャンカの母親が遠くから見守っていた。今回もイシャンカの妹が参加してくれていた。彼女は子どもたちの中に入り、周りの子どもたちに、歌を教えていた。誰も、イシャンカの妹に子どもの側に行ってくださいとは頼んでいない。彼女が自ら考えての行動である。

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2006年03月01日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.20

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【写真】『お・は・し・も』の歌の伝授共育の様子
新しい村での「お・は・し・も」伝授の様子です。今回も長いので、3回に分けます。

(クキさんレポート14)
 第2週目は、「『お・は・し・も』の歌の伝授共育」がデビヌワラ・キャラウェラ村(手作り黒板の場所)で実施された。タララ村で既にイシャンカというデビヌワラ出身の大学生によって伝授されてきたのだが、ここキラウェラ村では今回始めて、「お・は・し・も」の歌(マータラ・バージョン)がタララ村のボランティアリーダー(子どもたち)によって伝授された。

 毎週土曜日は、2つの村で「防災『共育』」プロジェクトが実施されている。午前中はタララ村、午後はここデビヌワラ・キャラウェラ村である。午前にタララ村での活動を終了した後、ボランティアリーダーらをTUKTUKに乗せてデビヌワラ・キャラウェラ村まで走らせた。2台のTUKTUKにぎゅうぎゅう詰めになりながら移動した。ボランティアリーダーの女の子の一人は私の膝の上に座った。「重くない?大丈夫?」と何回もその子は私に気遣いながらも、私が自分の膝をトントンと上げたり下げたりすると、キャッキャッといって、TUKTUK内は大騒ぎとなった。隣に座っていたボランティアリーダーの子どもも同じように、自分の膝をトントンと上げたり下げたりして、その上に座っていた子どもも大喜び♪膝を上げたり下げたりすること自体は何でもないことなのに、ある瞬間から意味をだしはじめる。そのある瞬間とは人間の心が動く時だと思う。

 タララ村から約15分程で、デビヌワラ・キャラウェラ村に着いた。村長宅前には、肝っ玉YASA母さんに、もう一人のボランティアーダーらが既に子どもたちの出席をとっていた。
タララ村のボランティアリーダーの子どもたちは、少し恥ずかしそうに、子どもたちの前の席についた。今回は、彼らによって「お・は・し・も」の歌が子どもたちに伝授される。他の村から村へボランティアのネットワークが確実に創られていく。それも子どもたちが主体的になって創られていく。わが子を見守るような気持ちで彼らを見つめていた。

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2006年02月28日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.19

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【写真】メダルとトロフィーを授与
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【写真】トロフィーを年少さんに渡したボランティアリーダー
(クキさんレポート13)
 授賞式が行われた。見事大人チームを破ったチームリーダー(ボランティアリーダー)にトロフィーをヒロが手渡す。彼がトロフィーを両手に持ちあげると、負けたチームの子どもたちも拍手でチームの健闘を祝福した。みんな最高の笑顔だ。チームリーダー以外のメンバーには、メダルが授与された。メダルの数は5個である。一人ひとりにヒロがメダルを首にかけていく。メダルの数が最後1個になった時、ヒロの顔から笑顔が少し消えた。メダルを待つ子どもが二人残っていた。どうするのかと思っていたら、チームリーダー(ボランティアリーダー)が、自分のトロフィーを差し出した。それを受け取った子どもは、チームリーダーに「ありがとう」と本当に嬉しそうに言った。チームリーダーの顔から幼さが消え、彼の両足はしっかりと地面の上に立っていた。

ヒロが子どもたちに「他の3ヶ所のプロジェクトで使いますから、このトロフィーもメダルも一週間だけ貸します。その間、充分に楽しんでくださ〜い♪」と言った。
えぇ?これもオルガンや太鼓と同じように使いまわすの?と思っていると、子どもたちは、いつもの様に何も気にせず「オッケー!!」と言いながら、トロフィーを高く持ち上げた。「使いまわし」と考えていた私に彼らは「支えあい」であることを教えてくれた。

 ところで、子どもたちがバレーボールの準備をしている間、ふと洗い場を見ると、ボランティアリーダーが歌を歌いながら、先ほど、子どもたちが飲んだプラスチックのコップを洗っていた。日本でなら、再利用されることのないそのコップを大事そうに1個、1個、丁寧に洗っていた。スリランカで物を購入すると、新聞紙や使い終わったノートの紙を利用し、それに包んで手渡される場合が多い。以前、買い物をした時のことだ。ふと、包んでいたノートの紙に目をやると、そこにはある人が書いたラブレターが書き記されていた。捨てられるはずのノートの紙から、幸せの共有、幸せの連鎖を感じた。コップを洗っていたボランティアリーダーの歌声が、あの時のラブレターを思い出させてくれた。

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2006年02月27日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.18

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【写真】漁の網で創った手作りネット
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【写真】バレーボールをする様子
(クキさんレポート12)
 タララ村では3時間がプログラムの時間となっている。「お絵かき」の後、ヒロが子どもたちに何がしたいのかを聞いた。「バレーボール!」との答えに、以前から準備していたトロフィーとメダルをだす。優勝チームに手渡されることになった。裏庭に出てみると、漁で使う網を使用した手作りのネットが張られていた。
以前子どもたちが作ったものだと聞かされた。少し弛んでしまっていたネットではあったが、ちょっと引っ張って伸びないと分かるとすぐに子どもたちは走り去ってしまった。いつもの様に気にしているのは私だけだった。
  
 いよいよバレーボールの試合が始まった。子どもたちが勝つのか、太陽が勝つのか、どちらの顔も同じくらいに輝いていた。汗だくになりながら国内Unボランティアも必死に子どもたちの体力に追いつくようにゼーゼー言いながらも楽しんでいた。時々、子どもの審判に、判定がおかしいと真剣に怒っていた彼の姿に、私は椅子に座りながら一人で笑いを堪えていた。この時間、この空間、みんな笑って、みんな輝いていて、忘れかけていた幼い頃の自分がそこにあった。

 チームプレイの時によく聞く、「ドンマイ(DON'T MIND)」という言葉がある。失敗してしまった相手に他のメンバーがかける言葉である。子どもたちを見ていると、ボールを落とそうが、ボールから逃げてしまう女の子がいようが、ただボールの行方をボーッとコート内で見ているだけの子がいようが、お構いなしでゲームを続けている。誰一人として「DON'T MIND」らしき言葉をかける子どもはいない。
ボールを落とした子どもも何もなかったかのようにゲームを続けている。子どもたちにはこの言葉は要らないのであろう。なぜなら、「気にするな(ドンマイ)」と言うこと自体が「気にする」ということを前提としているからである。子どもたちの方がはるかに大人よりも心が広い。

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2006年02月26日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.17

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【写真】「稲村の火」の物語を描く様子
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【写真】フェルトペンで塗り絵用に描く
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【写真】女の子が描いた「MY HOUSE」。太陽がこっそり覗いているよ
(クキさんレポート11)
  第2週目は、「『お・は・し・も』の歌の伝授共育」をタララ村で実施される予定だったが、このタララ村は、既にイシャンカというデビヌワラ出身の大学生によって伝授されてきたので、第1週目の「稲村の火」の物語の読み聞かせ共育を再度実施することになった。今回は、お絵かきをカラーで描くのではなく、黒いペンで描くのみとし、最終、4ヶ所のプロジェクトサイトの子どもたちの絵を「塗り絵」にして、「稲村の火」スリランカバージョンを作成する計画である。

「塗り絵」にすることにより、子どもたちが家に持ち帰っても読むだけでなく同時に色を塗る楽しみがある。スリランカの両親は、非常に子どもとの時間を大切にする。と、同時に教育にも熱心である。このスリランカバージョン「稲村の火」の塗り絵を通して、両親、更にはコミュニティー全体に防災の意識が広がる可能性は充分にあると思う。

ある女の子が、絵が描き終わったと言って、ヒロに見せにきた。タイトルは「MY HOUSE」、私の家と題したその絵は、太陽が雲から彼女のお花畑が広がる家を覗いている。何とも愛らしい、微笑ましい絵である。「『稲村の火』の絵を描きましょう!と言ったはずなんだけどなぁ〜」とヒロはテレ笑いしながら私に言った。そしてその女の子に「よく描けたねぇ〜Very Good ♪」と目を細めながら優しく微笑んだ。「稲村の火」の物語の内容が重要なのではない。そこから感じる心やみんなで「お絵かき」をする時間が大切なのだと思う。その時間の共有が防災「共育」であると思う。その女の子が私に「私の家のお花をみんなに分けてあげるの」と嬉しそうに話していた姿が心にほのぼのと残っている。彼女が、ヒロの、私の、心を癒してくれた。私も彼らと共に育っていく。感謝。

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2006年02月25日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.16

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【写真】イシャンカの指示でみんな協力しあって移動
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【写真】イシャンカの妹も一緒に学ぶ(共育)
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【写真】机で鉛筆の先を尖らす男の子
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【写真】拳を力いっぱいに振り上げながら歌う
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【写真】津波1周年慰霊祭のモニュメント
防災ソング「お・は・し・も」伝承のレポートの2回目です。子ども達の様子が生き生きと描かれています。

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(クキさんレポート10)
 シンハサナ村に着くと、既に子どもたちはグループに分かれて、座っていた。イシャンカが、ホワイトボードのある場所に移動するように指示を優しくだす。子どもたちは机、椅子を運び指示された場所まで移動した。イシャンカによってホワイトボードにシンハラ語で「お・は・し・も」の歌が書かれた歌詞を子どもたちがノートに書き写す。年少さんは、字を書くスピードが遅いため、ボランティアリーダーが手助けをしている。書き終わった歌詞をイシャンカはじめボランティアリーダーがチェックしている。あるボランティアリーダーが年少さんの鉛筆を鉛筆削りで削っていたのを見たある子どもは、鉛筆の先を机で尖らしはじめた。(写真参照)自分で考え、出来ることは自分でする。それを見ていた私にその子どもは、自慢げに先の尖った鉛筆を見せ、顎を少し斜めにあげながら真っ白な歯をキラッと輝かせた。

 いよいよ歌の練習に入った。「お・は・し・も」の歌の意味や、この歌が生まれた経緯など、イシャンカが説明をする。「お・は・し・も」の日本語の意味は、私が少し説明した。子どもの中には分かっているのかいないのか、ぽか〜んと聞いている子どももいたが、いったん、イシャンカが歌いだすと、体でリズムをとりながら、一緒に直ぐに歌いだしていた。愛知県布土小学校のオリジナルの「お・は・し・も」の歌はとてもリズミカルな歌であるが、このマータラバージョンは、スリランカの伝統的な音楽にあわせて、とてもゆっくりしたメロディーに編曲されている。ヒロと私は、何回聞いてもなかなか覚えられないメロディーなのだが、スリランカの子どもだけでなく大人も不思議と、このメロディーを一回聞いただけで直ぐに覚えてしまう。子どもたちは特に一回聞いただけで次には、大声で歌い始める。これには本当にヒロといつもびっくりしている。

 「稲村の火」の物語もそうであるが、「お・は・し・も」の歌も、現地の文化や習慣にあった形に変わる方が覚えやすいし、また広がりやすい。このマータラバージョンの「お・は・し・も」の歌は、マータラ地域から他の地域に広がるであろうと確信しながら子どもたちの歌を聴いていた。このマータラバージョンの歌にはジェスチャーが付いている。「皆一丸となって、手と手をつなぎ、立ち上がろう!信念があれば、私たちは立ち向かえる!」と拳を挙げながら歌うのだが、(写真参照)子どもたちはこの部分になると、力一杯に拳を挙げる。笑って歌っていても、この部分になると真剣な表情になる。小さな、小さな子どもでも、この部分になると、小さな拳を精一杯、背伸びしながら空高くに突き上げる。その姿と、昨年の12月26日のディクワラで行われた津波一周年慰霊祭で漁師の息子さんが創った、男女が拳を天高くに突き上げているモニュメントとが重なった。

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2006年02月24日

スリランカ防災「共育」プロジェクト 現地レポートNo.15

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【写真】イシャンカさんのオルガン練習
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【写真】鍵盤のABCを見ながらオルガンを弾く
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【写真】イシャンカ・オリジナルABC音譜
共育プロジェクト2週目、防災ソング「お・は・し・も」伝承のレポートです。少し長いので、2回に分けてお伝えします。

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(クキさんレポー9)
第2週目は、「『お・は・し・も』の歌の伝授共育」がデビヌワ・シンハサナ村で実施された。タララ村で既にイシャンカというデビヌワラ出身の大学生によって伝授されてきたのだが、ここシンハサナ村では今回初めて、「お・は・し・も」の歌(マータラ・バージョン)がイシャンカによって伝授された。

オルガンを弾いたことがないというイシャンカに対して、私たちはまず、マータラYMCAでオルガン練習を実施した。しかし、UNボランティアはじめ、マータラYMCAスタッフの誰一人としてオルガンが弾ける者がいなかった。どうしようか?となった時、イシャンカが自宅へ持ち帰り、彼女自身で練習をすると申し出てくれた。
本当に何とかなるのだろうかと心配していたのだが、何と♪本当に、彼女は自分で考案した方法で見事に「お・は・し・も」の歌をオルガンで弾けるようになっていたのである。

相当練習を重ねていたことが容易に想像できる。オルガンの鍵盤にABCと文字を貼り、そしてメロディーにそって、ABCを書いていく。それを見た私たちは大拍手!素晴らしいとしか言いようがない。以前、私は彼女に「音譜は読める?」と聞いたことがあった。彼女は「読めない」と答えた時、正直、本当にオルガン弾けるようになるのかと心配していた。私は学校で音譜を教わったことがあるが、オルガンは弾けない。彼女は学校で音譜は教わっていないがオルガンが弾けようになった。いつでもオルガンが弾ける環境で育った私は未だにオルガンが弾けないでいる。私たちがイシャンカの家に着いた時、彼女が一言「オルガン、弾けるようになったの」と気品溢れる笑顔でニッコリ微笑んだ。その笑顔は誇りと自信に満ち溢れていた。教育とは一体何なのだろうか。イシャンカの家族も一丸となって、オルガン弾きに協力してくれたと後から聞かされた。この過程が本当の共育(教育)なのだろうと思う。

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